親が認知症でも不動産売却はできる?制度と注意点を専門家が解説の画像

親が認知症でも不動産売却はできる?制度と注意点を専門家が解説

認知症


「親が認知症になると、実家が売れなくなる」という噂を聞いたことはありませんか?

 結論から言うと、判断能力(意思能力)がなくなると、原則として売却契約を結ぶことはできなくなります。

しかし、進行度や事前の準備によって解決策はあります。大切なポイントをぎゅっと分かりやすくまとめました。



1. 認知症の「進行度」による売却の可否


売却の契約時に、本人が「売却の意味や代金の使い道」を理解できているかどうかが基準になります。

  • 軽度(物忘れはあるが、会話や内容の理解は可能)

    • 売却可能: 司法書士などの面談により本人の意思が確認できれば、本人名義で売却できます。

  • 中度(契約内容の説明を理解することが難しい)

    • 本人のみでは困難: 意思能力が不十分とみなされ、そのままでは契約が「無効」になるリスクがあります。

  • 重度(意思疎通がほぼできない)

    • 売却不可: 本人の意思での売却はできません。売るためには「成年後見制度」の利用が必要になります。



2. 認知症になってから実家を売る方法(成年後見制度)

親の判断能力が低下した後は、家庭裁判所に申し立てて「成年後見人」を立て、代理で売却してもらう必要があります。


⚠️ 成年後見制度を利用する場合の3つの注意点

  1. 家庭裁判所の「許可」が必須 実家(親が住んでいる家)を売る場合、後見人だけの判断では売れません。必ず家庭裁判所に「居住用不動産処分許可」を申し立て、「親の介護費用を作るため」といった正当な理由を認めてもらう必要があります。

  2. 時間がかかる(数ヶ月) 申し立てから後見人が選ばれ、売買の許可が出るまでに数ヶ月の時間がかかります。「今すぐ売って介護費に充てたい」と思っても、すぐには資金化できません。

  3. 費用と制約が生じる 専門家(司法書士や弁護士など)が後見人になると、毎月の報酬(費用)が発生します。また、財産は厳格に管理されるため、「相続税対策」や「孫への生前贈与」を目的とした売却は認められにくくなります。


3. 親が「元気なうち」にできる2つの事前対策


親がしっかりと自分の意思を伝えられるうちに準備しておくことで、将来のトラブルを100%防ぐことができます。

  • 家族信託(おすすめ)

    • 内容: 信頼できる子供に、あらかじめ実家の「名義(管理・処分権限)」を託しておく仕組みです。

    • メリット: 将来親が認知症になっても、子供の判断だけでスムーズに売却や賃貸に出すことができます。

  • 任意後見契約

    • 内容: 将来判断能力が低下した時に、誰にどんな財産管理をしてほしいかを、あらかじめ公証役場で契約しておく制度です。

    • メリット: 親本人の「この人に頼みたい」という意思を最も尊重できます。



4. トラブルを防ぐための3つの鉄則


万が一のときに家族で揉めないために、今から心がけておきたいことです。

  1. まずは親子のコミュニケーション 親がどうしたいのかを元気なうちに聞き出し、ノートなどに残しておきます。

  2. 親族間での方針シェア 「実家をどうするか」「売却代金を誰が管理し、どう親の介護費に使うか」を兄弟姉妹で共有し、合意しておきます(将来の相続トラブル予防になります)。

  3. 「あれ?」と思ったら早めの相談 物忘れが始まったかなと思ったら、本格的な介護が始まる前に、相続や成年後見制度に詳しい専門家(司法書士・弁護士)や、地域包括支援センターへ相談しましょう。


まとめ

親が認知症になると、不動産売却は一気に複雑になります。
意思能力の有無や成年後見制度の利用可否など、法律面の確認が欠かせません。
同時に、将来の介護費用や相続、空き家リスクまで見据えた資金計画も重要です。
当社では、親の認知症が疑われる段階からの事前対策、成年後見制度を利用した売却の進め方まで、状況に合わせて丁寧にサポートします。
「うちの場合はどうしたらいいのか」を知りたい方は、まずはお気軽にご相談ください。

お問い合わせはこちら